フィンランドでは、5歳以下の子供に虫歯の人がほとんどいません。
1972年に国民健康法が制作されてから、わずか数十年たらずで
世界一虫歯の人が少ない国となりました。
それは膨れ上がった医療費削減に向けて、国をあげての虫歯予防に取り組んだ結果でした。
増え続ける医療費は、日本が迎えた超高齢化社会の問題でもありますよね。
どのようにすれば医療費を削減できるのか?個人の問題としても気になるところではないでしょうか…
その成功へのキーワードは 「 予防への意識変化 」 にあります。
実は、30年ほど前までフィンランドは日本よりも虫歯の多い国だったのです。
日本の虫歯予防といえば、今までは 「 歯磨き 」 と 「 砂糖摂取の制限 」 でしたが
フィンランドは、 「 歯磨き 」「 正しい食生活 」 に 「 フッ素 」「 定期健診 」 の4本柱に加え
キシリトールの活用と、母子感染の予防を徹底したのです。
そして、医療保険が 「 治療 」 だけではなく、 「 予防 」 にも使われるようになった事で
世界一虫歯の少ない国という大きな成果をおさめました。
せっかく治療にこられても、何故虫歯を繰り返してしまう人がいるのか?
特にお子様の虫歯予防にはもっと目を向けてもらいたい…
その方法を確かめたくて、私はフィンランドに行ってみました。
すると、ほとんどの女性は働きながら子育てをしており、共働き率95%以上という環境でも
子供の虫歯は減っています。
私も当時二人の子供を子育て中でしたが、特に驚いたのが
妊娠時から、しっかりとした歯科教育が行われている事でした。
虫歯や、治療した歯が一本もない状態を 「 カリエスフリー 」 と言います。
フィンランドは、カリエスフリーの先進国でもありました。
虫歯がなければ、当然歯科で治療する必要もありません。
虫歯にならない、虫歯が無い状態をキープするために、歯科の定期健診を活用しているのです。
つまり、歯を健康的に維持するには
個人に合った、正しい予防の仕方を ‘ 知る事!’ だったのです。
歯科衛生士として、親としても、これほどやりがいのあることはないと思った瞬間でした。
海外では、健康管理のために歯科医院を利用する頻度も高く
アメリカで80%、スウェーデン、フィンランドでは90%の方が定期検診を活用しています。
それに対し、日本は全国民の約2%という状況 …
アメリカのように医療費が高額で、虫歯になると高額な治療費が
かかってしまう事を皆が知っている国や、保険で治療を受けたくても
民間の保険会社に加入が必要な 「 医療格差 」 が広がった国では
自ずと虫歯にならないように、予防に目を向けざるを得ない状況ですし
将来自分にふりかかってくる医療費を、極力減らしたいと願う人達は増えています。
まして日本は保険診療で治療が受けられる歯科制度があります!
こうした国をあげての取り組みや、個人レベルでの意識の変化は
日本も参考にしたいモデルケースとなるのではないでしょうか。
ライフスタイルの変化に伴った歯科予防を提案する、キシリトール・マイスター
キシリトールは、どの年代の方にも簡単で有効な虫歯予防の手段となります。
キシリトール・マイスターとして、多くの活動や研修に参加してきました。現在、日本フィンランドむし歯予防研究会で理事を務めさせて頂き、皆様の歯と健康について正しい予防法をお伝えしています。正しい歯科予防のありかたを、地域のお母様方に興味を持って頂くことで、虫歯治療の必要がない!カリエスフリーな 「 子育て歯科 」 を日本に根付かせたいと思っています。
キシリトールは、輸液 ( 点滴剤 ) に含まれる炭水化物として10年以上使用されてきました。体の中に直接入れる薬品としても、口から食べる食品添加物 としても安全であることが証明されています。アメリカ合衆国の食品衛生安全局も、キシリトールを1日の摂取量に制限を与えない食品として扱っていますし、一日平均67gのキシリトールを2年間食べ続けた研究報告でも人体に悪影響を与えていません。まして、むし歯予防に使用するキシリトール量は1日10g程度ですから、量的にも全く問題はありません。 #1
それは、キシリトールが虫歯菌 ( ミュータンス菌 ) に及ぼす影響です。多くの虫歯菌は口腔内の糖類を栄養にし代謝後に ” 酸 ” ( 歯を溶かす要因 ) を作り出しますが、キシリトールは虫歯菌に取り込まれると、虫歯菌の糖代謝を阻害して活動を抑えてしまいます。虫歯菌にとっては栄養が取れませんので困ったものです。しかしながら虫歯菌の1割は元々キシリトールが嫌いで取り込まない連中もいます!但しこの虫歯菌は歯垢 ( プラーク ) の原因となる不溶性菌体外多糖を作りませんので、むし歯にはなり難いミュータンス菌といえます。するとどうでしょう!キシリトールを使用して3ヶ月もすればお口の中は、歯垢をあまり作りださない菌ばかりとなりますので、ブラッシングでのお手入れも簡単に相乗効果も得られます。また、ガムに入れた場合には咀嚼によってり唾液分泌も促進し、唾液中の成分が様々な感染を防ぐ効果も期待できますし、キシリトールとカルシウムの複合体は歯の硬組織中に進入して再石灰化を促進し、歯を硬くする作用もあります。 #2
可愛いお子さんにキスをしたり、口移しで食べ物を与えたりしても虫歯菌は感染してしまいます。虫歯菌 ( ミュータンス菌 ) の感染予防は、子供の歯が生える少なくとも3ヶ月前から、母親をはじめ、子供の周囲に居る人たちのキシリトール使用が望まれます。 #3
詳細はマタニティ歯科へキシリトールの効果が期待できる菓子は、ガムかタブレット ( 錠菓 ) です。その理由は、キシリトールが口の中に長く留まる必要があるからで、例えばケーキとかジュース類にキシリトールが入っていても、むし歯予防の効果は期待できません。また効果については、キシリトールができるだけ高濃度 ( 50%以上 ) 入っている事と、砂糖などの発酵性の甘味料が入っていない必要があります。ですから、「 シュガーレス 」 であるか?パッケージの成分表示を良く見て糖類が0gで有ること、糖質中におけるキシリトールの割合が50%を超えている事を確認してください。 #4
キシリトールは歯磨きの代わりになるものではありません。 北山歯科では
にくわえて、歯科専用のキシリトールガムを推奨しております。 #5もっと詳しくキシリトールについてお調べしたい方は、日本フィンランドむし歯予防研究会のホームページを
参考になさって下さいね。
キシリトールは、ほぼ誰でも使えて良い効果が得られる甘味料です。3ヵ月使用すると効果が現れ、2年間使用するとその後使用しなくとも効果が持続すると言われています。
お子さんの為に良かれと思った事が、実は虫歯の要因だったという事例もめずらしくありません。